【仏像の見分け方】仏像を見分けるにはファッションに注目!その2:菩薩・明王・天部:2ページ目
【明王】
「明王」はサンスクリット語でヴィドゥヤー・ラージャといい、ヴィドゥヤーには「真言」(明呪・みょうじゅ)、ラージャは「王」という意味があります。つまり、明王とは真言の力を持つ最たる存在ということです。
明王は、もともと密教から生まれた存在で、密教では真言の効力に最も重きを置いています。密教において、最高の存在とされるのは「大日如来」ですが、大日如来は変化(へんげ)することができ、「明王」は大日如来が変化した姿と考えられています。
「不動明王」や「愛染明王」などが「明王」として知られています。温和な如来ではゆうことを聞かないような業の深いものを調伏するため、恐ろしい外貌と怒りの表情をしています。多面多臂が多く、手にはあらゆる武器を携えています。燃えている炎を背にし、蛇などが体中に巻き付いた姿は、見るものを圧倒します。