木片で尻ぬぐいですと!?超びっくり!な日本のトイレの歴史【前編】:2ページ目
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平安時代
さて、みやびなイメージのある平安時代です。当時はなんと固定のトイレというものがありませんでした。そのため、貴族に関しては「樋箱(ひばこ)」や「清筥(しのはこ)」と呼ばれるポータブルトイレを使っていました。
樋箱はその名の通り箱の形をしていて、その中に用を足します。ポータブルといっても、いつでもどこでも自由にトイレというわけにはいかないので、寝殿造の広い部屋の一角を御簾で簡易的に仕切り、用を足していました。
1回1回片付けるわけですが、用を足すのはもちろん高貴な方々なので自分でトイレ掃除するはずもなく、樋箱お掃除係が中身を外に捨てては洗っていました。
樋箱にも多種多様な種類があり、円筒形のもの、四角いもの、漆塗りのもの、蒔絵で美しく装飾してあるものなど・・・。高貴な方はお気に入りの「マイ樋箱」を盛っていたのかもしれませんね。
一方、庶民に目を向けますと、樋箱などあるわけもなく、かといって個室トイレがあるわけでもなく。当時の絵巻には、路上の隅っこに穴を掘って、しゃがんで用を足す様子が残されています。今からすると考えられない状態だったのですね。
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参考文献:屎尿・下水研究会編「トイレ 排泄の空間から見る日本の文化と歴史」ミネルヴァ書房
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