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「私、失敗しませんから」と豪語した天才職人に、雄略天皇がしかけたセクハラ大作戦とは?

「私、失敗しませんから」と豪語した天才職人に、雄略天皇がしかけたセクハラ大作戦とは?

「これならどうじゃ?」雄略天皇の悪戯

さて、相変わらず仕事に励んでいた眞根の前に、再び雄略天皇が現れました。今度は、采女(うねめ。女性の召使い)たちを連れています。

「眞根よ。そなたは『失敗しない』と申したな。ならば、これならどうじゃ?

すると雄略天皇は采女たちに服を脱がせ、その場で相撲を取らせました。

なんと、白昼堂々のセクハラで、眞根の集中力を掻き乱す作戦です。当の采女たちは恥ずかしかったでしょうが、命令とあればやむをえません。かくて組んづほぐれつ、素っ裸の女性たちが大取り組み。そんなものを見せつけられては、流石の眞根も手元が狂ってしまいます。

結局、眞根は斧の刃先を石に当ててしまい、刃が欠けてしまいました。

雄略天皇の作戦勝ち?と言ったところでしょうが、そんな事をして一体誰が何の得をするのか、いささか大人げなさすぎにも思います。

惜(あたら)しき 韋那部(ゐなべ)の匠……

セクハラ作戦により、痛恨のミスを犯してしまった眞根を、いったい何か怨みでもあるのか、雄略天皇はしつこく責め立てます。

「眞根よ。そなたは軽々しく『失敗しない』などと答えたが、それがどうして、このザマじゃ。これは朕(ちん。天皇陛下の一人称)に対する不敬である!

【原文】「何處奴。不畏朕、用不貞心、妄輙輕答。」

として、家来の物部(もののべ。刑罰などを司る一族)に眞根の処刑を命じ、刑場へと引き立てて行かせました。本当に一体全体、雄略天皇は予てより眞根に何か怨みでもあって、今回の件にこじつけて亡き者にしたかったとしか思えない理不尽さ。

しかし、いくらなんでも名匠である眞根をこんな馬鹿げたことで失うのは、天下の大損。

3ページ目 傍にいた職人が眞根の助命を嘆願

 

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