日本初の猫バカ日記!?臣下を経て即位した宇多天皇を支えたのは、1匹の猫だった:2ページ目
源定省、猫を溺愛!その親バカぶりとは!?
さて、源定省が即位してからの日記『宇多天皇宸記(寛平御記)』によると、彼は父・光孝天皇から贈られた1匹の黒猫をかわいがっていました。
この猫は、時の太宰少弐が人気を終えて帰京したときに光孝天皇に献上したもので、天皇が数日寵愛した後に定省に下賜されたとのこと。
定省は臣下時代も、天皇になってからも、この猫をとても大切にしていました。その溺愛ぶりはまさに「愛猫家」を越え、「猫バカ」といっても良いレベル。
何と猫は、当時は非常に高価で庶民はもちろん、貴族でも簡単には食べられなかった「乳粥」を毎朝与えられていたのです。現代の猫バカを自称する愛猫家たちも、驚きの厚待遇ですね!
更に定省は、猫にこのように話しかけていたといいます。
「お前には人間と同じように、心があるよね。僕の考えている事が分かるよね・・・?」
すると猫は、まるで言いたい事があるのに言葉にならなくてもどかしがっているかのように、溜め息をついて、定省の顔をにらんでいました。
定省にとって、猫は大切なペットであるだけでなく、彼の話を黙って聞いてくれる心の支えでもあったのです。