男女入れ替え物語の原点・とりかへばや物語に似た「在明の別」前編:誕生から男装まで:2ページ目
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この物語、左大臣家に生まれたひとりの女君が主人公です。女君は男装して左大臣家の嫡男として社会に出るわけですが、その役割は「左大臣家の後継者となる男児をもうける」ことと、「左大臣家の娘として宮中に上がる」というふたつ。とてもひとりではなし得ないことのように思えますが、この物語では成し遂げてしまうんです!
隠れ蓑の術を使って夜な夜な他人の家で覗き!?
「左大臣家の後継者となる男児をもうける」ための飛び道具となるのが「隠れ蓑の術」です。そう、女君は不思議な力が使えるんです。このあたり現実的ではありませんが、物語では天狗や妖術が登場することしばしば。
女君は隠れ蓑の術を使い、夜な夜な出歩いては人の情事を覗き見……誤解のないよう説明しますが、これは理由があってのこと。女君はこの覗き見から、ある妊娠した女性を救って妻とし、その子を家の後継者にします。そういうわけで、無理やりのようにも思えますがひとつめの役目をクリアした女君。
男としての役割を終えた女君は、ふたつめの役割のために動き始めるのです。(後編へ…)
男女入れ替え物語の原点・とりかへばや物語に似た「在明の別」後編:偽死と入内
前編はこちらから[insert_post id=75270]男としての役割を終えた女君は死を装うさて、左大臣家の嫡男となる子を用意した女君は、男としての役割を終えたことになります。…
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