トロ人気は昭和から?時代によって変化してきたマグロの価値。江戸時代には不吉だとも言われた:2ページ目
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救世主はお醤油だった?ついにマグロもグルメの主役に!
こうして不遇な時期を過ごしたマグロですが、新時代の調味料が登場した事で日の目を見ることになります。それはお醤油で、マグロの身を醤油漬けにした保存法であるヅケと、それを用いた握り寿司の登場です。
こうして脚光を浴びたのは力強い風味、サッパリした味わいの赤身だけであり、今は高級食材であるトロは脂っこさと保存法(脂が醤油をはじく)が無いため、猫も食べないほどマズイ“猫またぎ”と呼ばれていました。そうしたトロは、ネギマ鍋などで食べるか、捨てるしか方法がありませんでした。現代の私達からすれば非常に勿体無い話ですよね。
トロ人気は昭和に入ってからスタート
トロの美味しさが一般に流布したのは冷凍技術が発展した1960年代(昭和35~44年)で、主に生食用として高く取引されるようになりました。つまり、マグロが高級魚となったのはつい最近の事なのです。
近年は各国でマグロが食べられるようになり、ますますマグロの高級化が進んでいます。乱獲問題と保護活動、一方で養殖マグロの開発など、マグロを取り巻く環境はめぐるましく動いているのも事実です。難しい問題ではありますが、先人達が残してくれたマグロ文化が後世に残ってくれることを願わずにはいられません。
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