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ファンタジックと鬱展開!宮沢賢治の名作童話「オツベルと象」は大人になって読むとまた違った奥深さ

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ラストシーンの空白は何?

『オツベルと象』を語るうえで欠かせないのが、ラストで『おや■、川へはいっちゃいけないったら』と言う箇所です。校本全集より前には『君』と直されたり、“おやめ”とするものもあり、定かではありません。

語り手が牛飼いであるため、牛が川遊びをして溺れそうになって慌てたと言う解釈もあれば、 『危険な川=三途の川』と言う連想で死にかけた白象へ向けた説、欲張って深みにはまり、最終的に成敗されて死んだオツベルを引き合いに出した説など、読者に解釈が委ねられる箇所でもあります。それもまた、全体を覆う宗教的な雰囲気と相まって謎を残していますね。

いかがでしたか?子供の頃に教科書や絵本で楽しんだこの名作も、大人になって読み直すとまた違った奥深さが味わえると思います。近年ではいわゆるブラック労働や職場のいじめなどと重ね合わせる見方もあり、そうした問題の根深さ(賢治が生きていた戦前から職場の問題は頻発していた)や、助けを求める勇気を持とうとする意味でも、注目されている作品でもあります。

本項を読まれて興味を持たれた方は、インターネットの青空文庫で全文が公開されているので、ご一読してみてはいかがでしょうか?

オツベルと象 – 宮沢賢治

Japaaanではこのほかにも宮沢賢治の作品を紹介していますので合わせてどうぞ。

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