生まれた子供は180人以上!?仁徳の英雄・大国主命は色好みなイケメンでもあった:2ページ目
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浮気な大国主命にスセリ姫もカンカン!
当時は男性が妻の家を訪ねる通い婚で、大国主命はあちらこちらの美女の元を訪れていました。あっちでもこっちでもお嫁さんにして、各地で生まれた大国主命の子どもは180人以上!現代の少子化の真逆をいく大国主命が治める地上は大繁栄です。
しかし、そうした一夫多妻において問題になるのが女の争いです。因幡のヤガミ姫との間に子供をもうけ、現在の北陸地方、越(こし)の国に住むヌナカワ姫にプロポーズの歌を贈るなど、妻問いという名の美女遍歴を繰り返す大国主命に、正室のスセリ姫は業を煮やしていたのです。
あのスサノオが父親なのだから性格も勝気なスセリ姫は猛烈に嫉妬深い性格でした。彼女にいじめられたヤガミヒメは、大国主命に子供を託して因幡に逃げだす始末。夫を責めずに浮気相手を攻撃する点では、まだ愛情があるのかもしれませんが、ターゲットにされた女性はたまりませんね。
キレた妻の怒りを歌で鎮める
そんな正妻の心境を思いやったのか、大国主命は大和(奈良県)へ行くための馬に乗りかけた状態で、彼女のことを思う歌を贈ります。スセリ姫もまた『大国主命以外に我が夫はいない』と気丈な所を見せ、夫への愛を込めた歌を贈るのです。
すると、大国主命もスセリ姫への思いが募って彼女を抱き締めて盃を交わし、改めて愛を誓い合ったのでした。ここでは大国主命と姫君達が交わした歌は割愛しますが、恋人同士の語らい、夫婦の情愛が細やかに歌い込まれているので、関心のある方はぜひ一読をば。
このように幸せに満ち溢れた大国主命でしたが、その近辺には徐々に暗雲が立ち込めつつありました。次回は、大国主命と出雲に降りかかった悲劇について語ります。
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