かつて「かな文字」は女性用だった?「かな文字」成り立ちの歴史と秘密に迫る:2ページ目
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初期の「かな文字」は現代より種類が多かった!?
さて、万葉仮名を崩して草書体にした初期の平仮名は、1つの音に対して1つの文字のみが使われていたというわけではありませんでした。
後に小学校令で仮名の字体が現在の50音に定められるまでは、「い」なら漢字の「以」を元にした現在の「い」の他に、「伊」や「異」なども使用されていたのです。その数は、全部でなんと200種類くらいあったともいわれています。驚きですね!
仮名の数が多かった頃の名残は、現代日本語ではほぼ使われることのなくなった「ゐ」、「ゑ」などの平仮名として見ることができます。
「かな文字」は女性用!?
平仮名は、「女手」「女文字」とも呼ばれていました。これは、平仮名が「和歌を詠むとき」などのプライベートな場面以外では、主に女性が使用する文字とされていたためです。
これに対して、1つの音に1つの漢字をそのまま当てはめた「万葉仮名」は、男性が漢詩や公式文書などに使用する文字ということで「男仮名」と呼ばれていました。
現代の感覚からすると驚きの事実ですが、「女文字」と呼ばれた平仮名が使用されるようになったことで、『枕草子』、『源氏物語』、『更級日記』など、平安時代の女流作家による作品が次々と世に出ていくこととなりました。
日本文学の上でも、「かな文字の誕生」は大きな影響を与えたできごとだったといえるでしょう。
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