がしゃどくろや送り狼…現実世界から異世界へ移行する夜、妖怪たちは動き出す:2ページ目
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飛縁魔(ひのえんま)
この妖怪は夜の町に現れるのですが、絶世の美女なので、きっと男性はことごとく魅了されてしまうのでしょう。男の血を吸って殺してしまいます。
黒玉
夏の夜と季節限定ですが、人が寝入った頃のこと。蚊帳の中に入り足とまったら、体をつたい胸を押さえつけて苦しめてしまう妖怪です。寝ているときは無防備なもの。そんなときに襲われるって、恐怖ですよね。
赤抱かしょ
山形県の街道の辻に現れる女の霊で、夜にここを歩くと「赤抱かしょ(赤ちゃんを抱いて)」と赤ちゃんを差し出してきます。後ろ向きに抱けば、何もされません。もし、後ろ向きに抱かなかったら魂を抜かれると恐れられていました。
牛打坊
これは、牛に被害を及ぼす妖怪です。夜中に牛小屋に入って、牛にわずかな傷をつけて殺してしまいます。ただじっと見るだけでも、家畜は病気になってしまうとか。狸に似ており、徳島県で知られています。
夜は、いろんな妖怪が出てくるのですね。そして、人を驚かしたり血を吸ったりと、飼っている牛が殺されてしまったりと、妖怪に翻弄される人々もきっと多かったのでしょう。
参考文献:江戸武蔵野妖怪図鑑 山口敏太郎, 絵でみる江戸の妖怪図巻
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