琵琶法師さんたちにマジ感謝!長く愛され続ける和楽器、三味線はこうして生まれた:2ページ目
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大阪・堺で三線と琵琶法師が…出会った
堺港へ三線が渡ってきたとき輸入されたのは楽器のみで、演奏家とともに渡ってきたわけではありません。最初にこの三線を手にしたのは、三線と同じ弦楽器である琵琶の演奏家・琵琶法師たちでした。彼らは琵琶を基にしてより取り扱いやすいように改良を重ね、日本独自の「三味線」を作り上げてゆきます。
現代でもヘビの皮が用いられている三線(さんしん)ですが、当時の本州で楽器を作るために大きなヘビを捕まえるのはなかなか難しいことでした。そこで三味線には、身近な動物である犬や猫の皮が用いられるようになります。
さらに大きさにもひと工夫。木材を使い大きな胴へと作り替え、抱えずに膝に載せられるようになり、安定して弾けるようになりました。
奏法の変化でさらに表現力アップ
大きな改良は奏法にも現れます。ピックのような爪を指につけてつま弾く三線に対し、琵琶は撥(ばち)を用いて演奏します。琵琶法師たちはこの撥を三味線の演奏にも取り入れてみました。すると三味線の音はより大きくなり、リズムを刻むような表現も可能になります。
語りながら奏でる日本ならではの音楽表現にマッチするように音色も改良することで、日本人の好みにぴったりの楽器が完成。お座敷から劇場まで、さまざまな用途で日本全国へ急速に浸透し発展していったのです。
他の和楽器に比べてはるかに浅い歴史ながらも、さまざまな工夫が独自の魅力を生み、現代まで広く愛される楽器へと変貌を遂げた三味線。そんな歴史を思いながら演奏を聞くと、その音にいっそう愛着が湧いてくるようです。意外と身近に溢れている和楽器の音に、耳を傾けてみてくださいね。
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