模倣品の指摘を覆す結果…なんでも鑑定団のあの「曜変天目茶碗」の調査結果が発表
以前、テレビ東京の人気鑑定番組「開運!なんでも鑑定団」で、戦国武将 三好長慶の子孫から曽祖父が購入したという茶碗が、世界で4点目の「曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)」であるという鑑定がなされ、大変話題になりました。
しかしその後、専門家が中国の模倣品との類似を指摘し、番組の鑑定結果に異論を唱えるといったことがありました。指摘は、陶器の外側に曜変天目にはない斑紋があり、内側の斑紋の色合いなどをみて18世紀以降に開発された化学顔料が使われているのではとのことでした。
その指摘に対して所有者の方が奈良大の魚島純一教授に茶碗の化学的調査を依頼。その結果、専門家の指摘にあった18世紀以降に開発された化学顔料はほぼ検出されていないことがわかり、化学顔料が使われているのでは…との指摘を覆す結果となりました。
魚島教授は、物質に含まれる元素を検出する蛍光X線分析装置を使い、茶碗表面の色ごとにX線を当て、元素の種類と量を調べた。その結果、アルミニウムなど10種類の元素が検出されたが、化学顔料に使われる元素は発色に影響を与えない程度のごくわずかな量しか出なかった。
徳島新聞社
「開運!なんでも鑑定団」で「曜変天目茶碗」であるとの鑑定結果
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専門家らが曜変天目の可能性が低いとの指摘
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真贋論争へと発展
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所有者が化学的調査を依頼
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模倣品と指摘する一つの根拠が覆る
この調査結果によって模倣品であると指摘されていた1つの根拠が無くなったことになります。徳島新聞によると、専門家らは今回の調査では本物とは判断できないとしていますが、所有者の方は化学的な根拠が持てて納得できたとしており、今後のさらなる調査は行わない様子ですね。
参考: 徳島市男性の「曜変茶碗」 化学顔料ほぼ検出されず- 徳島新聞社