
ちょっぴり可愛い妖怪絵!明治時代の浮世絵師 鍋田玉英による「妖怪画本」
鍋田 玉英(なべた ぎょくえい)とは明治時代の浮世絵師で、江戸時代〜明治時代の浮世絵師 楊洲 周延(ようしゅう ちかのぶ)に師事していた人物です。
一般的にも知られている有名な作品というものはありませんが、山水画譜や妖怪を描いた怪物画本などが主な作品。今回は明治14年に描かれた「妖怪画本」を紹介します。
妖怪画本の妖怪は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師・鳥山 石燕(とりやま せきえん)が描いた妖怪を元にしたものですが、なぜか本には李冠光賢の画を模写したと書かれています。(鳥山石燕の作品を李冠光賢が模写し、それをまた鍋田玉英が模写した?調査中)
妖怪画といえばこれ!水木しげるも参考にした、江戸時代 鳥山石燕による妖怪図鑑「画図百鬼夜行」
鳥山 石燕(とりやま せきえん)という名前を聞いて「あぁ、あの人ね」とわかってしまう人はかなりの妖怪マニアの可能性。筆者は恥ずかしながら今回調べるまで知りませんでしたが、江戸時代後期に活躍した浮世絵師…
例えば狸。構図がまるっきり同じ。
- 鍋田玉英の狸
- 鳥山石燕の狸
猫またの絵もほぼ一緒ですね。
- 鍋田玉英の猫また
- 鳥山石燕の猫また
- つるべ女
- 野寺坊
- 鵺(ぬえ)
ということで鍋田玉英の完全オリジナルではないわけですが、描かれる妖怪はちょっぴりユーモラスで、可愛らしく描かれているものが少なくありません。人々の中では妖怪はただただ恐ろしい存在というわけではなく、暮らしの中に受け入れられていたのでしょう。
- らいごう
- やなり
- 狸坊
- ふっ消し婆
- 清姫
- 狐火
- 蛇骨婆
- 幽霊
- 見越人道
- 一目坊主
- 山男
- 庫裏婆々化
- 姥ヶ火
- 宗玄火
- 桃灯火
- 葵の上
- 大佛怪物
- 笑女
- 酒呑童子