太宰治「芥川賞、獲りたいの!」自作品を芥川賞に選ぶよう懇願する手紙が新たに発見
太宰治を敬愛するタレントの又吉直樹さんが2015年芥川賞を受賞したのは記憶に新しいですが、太宰治が自身の作品を芥川賞に選ばれるよう頼んでいる内容の手紙が発見されました。
今回発見された手紙は太宰治が師事していた作家 佐藤春夫宛に昭和11年1月にしたためられた、4メートル余りもの巻紙の手紙で、「こんどの芥川賞も私のまへを素通りするやうでございましたなら、私は再び五里霧中にさまよはなければなりません」「私を忘れないで下さい」「いのちをおまかせ申しあげます」といった、芥川賞に選んでもらえるよう懇願する内容が書かれていたとのこと。
太宰治は芥川龍之介を敬愛していたというのは有名で、これまでにも自身の作品を芥川賞に選ぶようお願いする内容の手紙は見つかっていますが、太宰治を敬愛する又吉さんが芥川賞を受賞した年にこう言った手紙が発見されるというのもなかなかな味わい深いタイミング。
佐藤春夫は今回発見された手紙以外でも太宰から受賞を懇願されいたことが知られており、受賞がならなかった太宰が佐藤春夫を批判したこともありました。また、芥川賞の選考委員であった川端康成にも懇願する手紙を送ったこともあります。そして川端康成とも一悶着あったそう。
今回の手紙は実践女子大学の河野龍也准教授が佐藤の遺族が保管していた資料の中から発見されました。