【豊臣兄弟!】愛ゆえの残酷な別離…「里芋が一番じゃ」の真意と、あさひの初陣に隠された夫婦の誓い:2ページ目
『里芋が一番じゃ!』が伝える『変わらぬ愛』
さらに、二人の絆の強さを伝えてくれたのは『里芋』でした。
婚礼の日。
白無垢姿のあさひに、家康は「この浜松には美味しいものがたくさんございます」と伝えます。
「では、まず里芋が頂きとうござりまする」と、物おじせずに即答するあさひ。
思わず怪訝な表情で、「ただの里芋でござるか?」と問う家康。
「はい。ただの里芋が一番じゃ!」と、あさひは花が咲いたような笑顔を見せたのでした。
『ただの里芋が一番じゃ』……「里芋」のセリフで締めくくるとは泣かせる。
天正地震のとき、あさひをかばい腕を怪我をした甚兵衛に、里芋を1個1個「あ〜ん」して食べさせていましたね。
『うまいのうぉ〜!これが一番じゃ』と、相好を崩して喜ぶ甚兵衛。
「夫のこれが一番」な里芋を、家康に所望し「ただの里芋が一番じゃ」というあさひの言葉には胸が詰まりました。
「ただの里芋」ではありません。
政略結婚の相手の家康に「わたしの甚兵衛が一番じゃ!」と笑顔で告げた、あさひの初陣……だったのだと感じました。
「家」のためお互いに決めた別離。けれども、長年寄り添った二人の愛は消えない。
もちろん「史実」ではこのようなやりとりがあったかどうかはわかりません。ドラマのフィクションでしょう。
けれど、「政略結婚で強制的に別れさせられた夫婦」の史実をモチーフに、それでも絆は消えないことを『桔梗』『里芋』で、表現した素敵な脚本だったと思います。
