手洗いしっかりしよう!Japaaan

【豊臣兄弟!】武器を“筆”に持ち替え戦に挑む!「プロジェクトX」ばり胸熱展開の第38話を史実と共に考察

【豊臣兄弟!】武器を“筆”に持ち替え戦に挑む!「プロジェクトX」ばり胸熱展開の第38話を史実と共に考察:4ページ目

狩野永徳のオーダーのわけ

才蔵はドラマオリジナルのキャラクターなので、実際に狩野永徳が「襖の端から端まで墨がかすれない筆を」と別注オーダーをしたことも創作かと思われます。

実際、狩野永徳は、織田信長、豊臣秀吉など数々の権力者たちの御用絵師として多くの障壁画を描きあげました。

※関連記事:

【豊臣兄弟!】狩野永徳(片岡鶴太郎)、実は秀長より年下!信長・秀吉を魅了し絵に命を捧げた生涯

豪快かつ緻密な画風で人気を博した狩野永徳(かのう えいとく)は、安土桃山時代を代表する絵師の一人でした。大河ドラマ「豊臣兄弟!」第38回『和を以て、大和をなす』では、片岡鶴太郎が演じる永徳が初…

モチーフを大画面いっぱいに描く「大胆な構図」「力強い筆致」が特徴です。
(反面、細かな人物や町の情景を描き込む「細画」にも優れていました)

有名な『唐獅子図屏風』は、通常の屏風と比べ約1.5倍ほどあり、「豪壮」と評される桃山絵画の中でも型破りの大きさを誇るそう。

そのためドラマでは、才蔵の筆の品質の良さを認めた永徳が、大きな屏風絵を描くための「墨がかすれない筆」を求めた……という流れになったのかもしれませんね。

屏風は、その前に座る権力者を「主役に引き立たせる舞台」を演出する大切なアイテムです。

実際、秀吉が永徳に『唐獅子図屏風』を依頼したという確かな一次史料はないようですが、ドラマでは、秀吉の威光を演出できる迫力ある絵を描く永徳に頼んだという展開でした。

お互いに「兄弟」を想う二人

ドラマでは、永徳の屏風絵を見た秀吉が出来栄えを絶賛しつつも、「この獅子は、つがいか。それとも親子か」と尋ねます。

「それは、見る者の心次第でいかようにも変わりますれば」と答える永徳。

まるで兄を見守りつつ追いかける弟のような構図(大河の美術スタッフによる力作でしょうか)になっている獅子に、「弟・秀長は元気か」と思いを馳せる秀吉。

「えいとくふで」が売れ城下町は賑わい「新しい戦に勝った」秀長も、空を仰いで「兄・秀吉は元気か」と思いを馳せる。

このドラマの根底に流れる『兄弟の絆』を、改めて思い出させる締めくくりでした。

最後に

武器を持たず「筆」を持つ「新しい戦い」を、胸熱なプロジェクト「X」展開で描くという意外なストーリーとなっていた「豊臣兄弟!」第38回。

また、慶役の吉岡里帆さんが、書道「八段」の腕前を披露したり、高校時代に弓道部に所属し弐段の腕前を持つ、茶々役の井上和さんがしっかりとした“引き”の美しいポーズを披露したり。

俳優さんの特技が生かされた脚本だったのも面白かったところ。

こういうコンテンツを自在にストーリーに取り入れるのも大河ドラマの魅力でしょう。

今後、待ち受ける様々な悲劇はどこまで描かれるのでしょうか。

※関連記事:

『豊臣兄弟!』才蔵の筆ヒットで街が発展は本当?秀長の“大和郡山づくり”の実際など第38回を解説

今回はざっくり「よい筆を作って狩野永徳(片岡鶴太郎)が買ってくれて、永徳愛用という評判で筆がバカ売れ。それが大和郡山が発展する基礎となった」という展開でした。いっぽう羽柴秀吉(池松壮亮)は朝廷…

【豊臣兄弟!】秀長が頼るキーマン・才蔵(間宮祥太郎)の実在モデルは?郡山繁栄を起こす『起爆剤』

NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」第38回は『和を以て、大和をなす』。キーパーソンの一人として登場するのが、奈良の筆屋の主人・才蔵(間宮祥太郎)です。ドラマの公式サイトの紹介では、筆づ…

【豊臣兄弟!】狩野永徳(片岡鶴太郎)、実は秀長より年下!信長・秀吉を魅了し絵に命を捧げた生涯

豪快かつ緻密な画風で人気を博した狩野永徳(かのう えいとく)は、安土桃山時代を代表する絵師の一人でした。大河ドラマ「豊臣兄弟!」第38回『和を以て、大和をなす』では、片岡鶴太郎が演じる永徳が初…

参考:

・秀長さんプロジェクト推進協議会事務局「大和郡山 秀長の輪」
・井伊美術館「唐の頭」
・『多聞院日記』
・『図説 豊臣秀長 秀吉政権を支えた天下の柱石』河内将芳

 

RELATED 関連する記事