カッコイイ!津軽三味線でヒットソングをカヴァーするアメリカ人は日本で腕を磨いた実力者だった
最近、津軽三味線で洋楽のヒット曲をカヴァーしたパフォーマンス映像が海外で話題になっています。
演奏しているのはアメリカ人三味線プレーヤーのケヴィン・メッツ(Kevin Kmetz)氏。曲はイギリスのユーリズミックス(Eurythmics)の80年代の名曲「Sweet Dreams」。日本ではCMでアレンジヴァージョンが使用されたりもしていたので、あなたも一度は聴いたことがことがあると思います。
すると偶然この映像を本家のユーリズミックスが見て大絶賛。どうやらにわかに人気上昇中のようなのです。
それにしても大変見事な演奏です。そしてこのケヴィンさん、よく調べてみると日本に長期滞在し、過去には名だたる津軽三味線の全国大会で受賞経歴もある三味線マスター。
さらに2008年には世界初のエレキ津軽三味線サウンドをメインに据えたメタルバンド、その名も「GOD OF SHAMISEN」を率いてCDデビューも果たしていたプロミュージシャンだったのです。
こちらがそのGOD OF SHAMISENの曲で、アメリカのSF作家、レイ・ブラッドベリの世界観を三味線で表現しきっています。宇宙的な要素と三味線がこうもマッチしてしまうとは驚きです。
現在彼のYouTubeチャンネルには優に200を超える動画がアップされており、挑戦している曲のジャンルも洋邦問わず様々。例えば60年代ロックの代表曲、ジミ・ヘンドリクス(Jimi Hendrix)の「PURPLE HAZE」も彼の手にかかればこんな感じに。
・・・かと思ったら、今度は嵐の曲もあっさり弾きこなしてしまいます。
そして動画の多くを占めているのがきゃりーぱみゅぱみゅの楽曲。彼女の曲をかなり得意としているようで、演奏もひときわ乗っている感じです。今年リリースしたばかりの新曲「もんだいガール」にもさっそく挑戦しています。
他にもきゃりーのヒット曲「にんじゃりばんばん」の演奏風景を日本の野外で撮影し、オリジナルのプロモーションビデオ風にしているコミカルなものもあります。
動画を見ているとこのようにユーモアに満ち溢れながらも実験精神に富んでいるものが多く、同じ楽曲でも奏法違いのヴァージョンをいくつかアップしていたり、演奏場所や共演者を入れ替えたりして楽しんでいるものもあります。こちらの楽曲は「お風呂で三味線を奏でたら・・・」というコンセプト。意欲的ですね!
あらゆる場所で異なるスタイルでのステージをこなし、それらの動画もコンスタントにアップしているようです。やはり日本で徹底して津軽三味線を極めただけあって、その飽くなきバイタリティには敬意を表したくなります。マルチな実力派三味線マスター、ケヴィン・メッツ。今後も彼の動向は見守っていたいですね。