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明治時代の地租改正は“農民いじめ”ではなかった?明治日本の税制改革が米の収穫量を激増させた理由

明治時代の地租改正は“農民いじめ”ではなかった?明治日本の税制改革が米の収穫量を激増させた理由:3ページ目

最善の税制

ところで、もともと地租は明治時代前半の税収の柱で、明治十八年には税収の八割を占めるほどの存在でした。

しかし日本が急速に成長していく中で、地租の比重は次第に低下していきます。その理由はシンプルで、明治初期に設定した地価がそのまま使われ続け、物価上昇に追いつけなかったためです。

そこで政府は税率引き上げを試みましたが反発が強く、十分な調整はできませんでした。

明治四十四年には賃貸価格を基準にする方式も導入されましたが、地租の存在感は薄れ、昭和に入るころには税収の一割を切ります。

こうした点が、明治期の地租改正という政策が現代ではあまり高く評価されていない原因なのでしょう。

それでも地租改正が果たした役割は非常に大きいものでした。税制の公平化、脱税構造の解消、農民の生産意欲向上、土地台帳の整備など、近代国家としての基盤をつくるうえで欠かせない改革だったのです。

フランスの大蔵大臣レオン・セイが明治政府の地租改正を「租税改革として最善の策」と評価したことも、当時の国際水準から見ても優れた施策だったことを示しています。

現代ではあまり語られませんが、日本の近代化を支えた重要な施策だったことには間違いありません。

参考資料:
大村大次郎『脱税の日本史』宝島社、2024年
画像:Wikipedia,PhotoAC

 

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