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「長生きは無益」85歳長寿、江戸時代の名医・杉田玄白が晩年抱えていた老いの苦しみと孤独

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「長命を願ふハ無益」――玄白が残した老いの真実

玄白の最期は文化十四年四月十七日。眠るような死だったとも伝えられていますが、詳細は多く残っていません。

ただ、彼が晩年に記した言葉からは、老いに対する深い苦悩が読み取れます。

玄白は「長命を願ふハ無益の事なり」と書き残しています。

これは「長生きはめでたい」という一般的な価値観とは正反対の言葉で、長寿を得ても身体の衰えや生活の不自由さが増すばかりで、喜びよりも苦しみの方が大きいという実感が読み取れますね。

杉田玄白の銅像(Wikipediaより)

また、玄白の最期の言葉とされる「医事不如自然」というのがありますが、通常は「自然に従った療養が最もよい」という意味で解釈されます。

しかし晩年の発言を踏まえると、「医術を尽くして長命を得ても、良いことばかりではない」という本音が垣間見えるように思われます。

玄白は名医として多くの人を救いましたが、自身の老いだけは治すことができませんでした。老いの苦しみを正面から見つめ、その現実を文章に残した点が、彼の最後の功績だったと言えそうです。

参考資料:
堀江宏樹『日本史 不適切にもほどがある話』三笠書房、2024年
画像:Wikipedia

 

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