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『べらぼう』総集編の放送間近!蔦重を生み育てた“女たちの底力”、感動の名場面をおさらい【4人の女神編】

『べらぼう』総集編の放送間近!蔦重を生み育てた“女たちの底力”、感動の名場面をおさらい【4人の女神編】:3ページ目

本で世を耕すという蔦重の“夢”をかなえた女神

生みの母親、育ての母親に続いて、蔦重の女神になったのは妻・ていです。ていの名場面や名シーンはあり過ぎて絞りきれません。

真面目な顔して表情を変えずにつっこみを入れるところ、蔦重との夫婦漫才のようなやりとり、店を守りたいという割には冒険も好き、本を読み込んでいるだけにボキャブラリーも豊富。

女性として妻としてさまざまな名場面があるのですが、やはり「本屋の女将」としての名場面を取り上げたいと思います。

蔦重が、初めてていと結婚をしようと決めたお寺での場面。寺の和尚に処分する予定の本を子供の教材として使ってと頼みました。

屑屋に出せば本はただの紙屑、けれど、手習いの子らの手に渡れば本の役目を果たせると。

「子らに文字や知恵を与え、その一生が豊かで喜びに満ちたものになれば本も本望、本屋も本懐というものにございます」

蔦重が、平賀源内(安田顕)に教えられた「書を以て世を耕し、国を豊かにする」と同じだ!と震える場面でした。さらに「本も本望、本屋も本懐」と地口が出るあたりは、蔦重と一緒です。

「俺が本屋やるための最高の同志(相棒)を見つけたぞ!」とばかりに目が輝いたのが印象的でした。トクン!と胸がときめいたという感じではないのが、いかにも恋にうとい蔦重らしい感じでした。

ていは、蔦重が本格的に日本橋の本屋としてビジネス展開をするにあたって、その道を灯火をかかげて明るく照らした女神でしたね。

最終回で、蔦重が作り続けてきた“本”のことを、

「旦那様が築き上げ、分け与えた富。その富は腹を満たすことはできないけれど、心を満たすことはできる。心が満たされれば人は優しくなれましょう。目の前が明るくなりましょう。さような笑いと言う名の富を旦那様は日本中に振舞ったのではございませぬでしょうか。」

というセリフは、ていにしか言えない名セリフでしょう。

源内の「書を以て世を耕し、国を豊かにする」瀬川(小芝風花)の「恩が恩を呼ぶめでたい話がいい」という“夢”を大切に、ずっと行動し続けてきた蔦重への最高のはなむけとなる言葉。

「そうか」と頷いていた蔦重の、安心したようなうれしそうな表情も印象的でした。

4ページ目 蔦重の“夢”を形にしてくれた歌麿

 

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