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お釈迦さま(ブッダ)の死因は食中毒だった──生命を落とした原因「スーカラ・マッタヴァ」の謎に迫る!

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仏教者が肉食してもいいの?

ところでブッダが食べたスーカラ・マッタヴァが豚肉だった場合、素朴な疑問が生じます。仏教では殺生や肉食を禁じているのに、その開祖であるブッダが肉食してもいいのでしょうか。

肉食を禁じているのは仏教徒でも一部であり、いただいたものは肉でも魚でもありがたく食べます。

もちろんブッダが肉食を禁じたことはなく、チュンダから献上されたスーカラ・マッタヴァについても、喜んで食べたことでしょう。

ブッダの優しい心遣い

果たしてブッダはスーカラ・マッタヴァによって命を落とすことになりますが、その際に一番弟子のアーナンダに伝言を頼みました。

「チュンダに伝えてほしい。『そなたの献上したスーカラ・マッタヴァによって、ブッダは修行を完成して涅槃に入ることができた。よってそなたには大いなる功徳がある』と」

これはチュンダが「自分が献上したものを食べたせいで、ブッダが命を落としてしまった。その過ちの報いとして災いが降りかかる」と恐れている可能性を考えての心遣いです。

自分の死を通じて、誰かがわだかまりを残すことがないよう、そんな心遣いもあったのでしょう。

終わりに

今回はブッダが最後に食べて命を落としたスーカラ・マッタヴァについて紹介してきました。

結局何だったのかは分からなかったものの、80歳の高齢者が食べるには身体の負担が大きなものだったのでしょう。

実に人間らしい最期にこそ、絶対者が存在せず、人間が自らの善性を追求する仏教の人間らしさがあらわれているように感じられます。

※参考文献:

  • 佐々木閑『NHK100分de名著 ブッダ 最期のことば』NHK出版、2016年6月
  • 中村元『ブッダ最後の旅 大パリニッバーナ経』岩波書店、1980年6月
 

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