【べらぼう】きよの足の異変は何?大崎の老女罷免、蔦重渾身の黄表紙ほか…9月28日放送回の振り返り解説:2ページ目
幸せを掴んだ矢先に……きよの足に異変
栃木の豪商・釜屋伊兵衛(益子卓郎)から肉筆画の依頼を受けた喜多川歌麿(染谷将太)。妻のきよ(藤間爽子)と喜び合いますが、彼女の足には異変が見られました。
歌麿と抱き合っている時は、くるぶしに小さな腫物が出来ていましたが、次に京伝を迎えた時は足首全体に広がっています。
これは梅毒の症状ではないでしょうか。過去に身を売りながら生活していた影響により、彼女は身体を蝕まれていたようです。
やっとちゃんとした仕事ができる、これで二人が幸せになれる、そう思った矢先に絶望のどんぞこに突き落とされる鬼脚本……残念でなりません。
ちなみに歌麿の妻(戒名:理清信女)は寛政2年(1790年)8月26日に世を去りました。彼女を喪ったことで、歌麿はその画風に影を落とすのでしょうか。
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一橋治済の能面遊び
松平定信と静かな対立を繰り広げる一橋治済(生田斗真)。劇中では能面を鑑賞しながら定信の応対をしていましたが、それぞれの面にはどんな意味があったのでしょうか。
一つ目:平太(へいた)
跳ね上がった眉毛に八の字ヒゲ。勇猛な武将を表現する能面として『田村(坂上田村麻呂が主人公)』などで使われます。
二つ目:長霊癋見(ちょうれいべしみ)
熊坂長範(くまさか ちょうはん)の霊を表現する面で、癋見(べしみ)とは口を大きくへの字に曲げた(へしめた)様子です。
三つ目:白式尉(はくしきじょう)
好々爺を思わせるへの字目と切り顎(面の顎が紐で結びつけられ、動くと笑うように揺れる)が特徴。天下泰平を祈る意味があります。
これらの能面選びは、果たして治済の胸中を表わしているのか、あるいは単なる気まぐれか……能が好きみたいなので、これからも注目していきましょう!


