あなたもいかが?歴史上の権力者たちを虜にしてきた香木『蘭奢待』の香りを現代に再現【奈良・正倉院】:2ページ目
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蘭奢待の香りを現代に再現
ラブダナムとはシストローズ(シスタス・ラブダニファー)の樹脂から抽出され、濃厚な甘さと力強いスモーキーな香りがアンバーグリスを思わせます。
ただし蘭奢待の香りはそれだけでなく、いくつかの成分が混ざり合っていたため、調香師(香料調合の専門家)がその再現に挑戦しました。
ラブダナムの香りをベースとして、バニラ系の甘い香りとアニス系のスパイシーな香りを融合。こうして蘭奢待の香りを令和21世紀に再現したのです。
……黄熟香一名蘭奢待。少々粉を火に入れたところ、香気軽く清らかにして、誠に微かな香りあり……
※蜷川式胤ら『奈良の道筋』明治5年(1872年)
そんな「軽く清らか」な蘭奢待の香りが、上野の森美術館で開催中の特別展「正倉院THE SHOW-感じる。いま、ここにある軌跡―」で体験できるそうです。
※開催期間は令和7年(2025年)9月20日(土)~11月9日(日)。
同会場のミュージアムショップでは「蘭奢待香りカード」も販売され、自宅や好きな場所で蘭奢待の香りを楽しめます(何だか、すごい時代になりましたね)。
※関連記事:
幻の名香「蘭奢待」の香りが楽しめるフレグランスカード登場!「正倉院 THE SHOW」東京会場限定
2025年9月20日(土)から11月9日(日)まで、東京・上野の森美術館で開催される「正倉院 THE SHOW―感じる。いま、ここにある奇跡―」で、幻の名香「蘭奢待(らんじゃたい)」の香りを楽しめる…
かつて信長や明治天皇が味わった蘭奢待の香り。皆さんもこの機会に、楽しんでみてはいかがでしょうか。
※参考:
- 香木「蘭奢待(らんじゃたい)」の香り成分や年代が判明、正倉院
- 足利義政や織田信長も切り取った?…天下の名香「蘭奢待」、原木は772~885年頃に伐採か倒木
- 大橋一章ら『正倉院宝物の輝き』里文出版、2020年10月
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