【べらぼう】新之助の生涯、服部半蔵(有吉弘行)は何者?歌麿ならではの絵…8月31日放送回の各シーン解説:2ページ目
浄瑠璃行列、江戸市中を練り歩く
♪天から恵みの銀が降る~三匁二分(さんもんめにぶ)、米一升~声は天に届いた~届いた~♪
富本斎宮太夫(新浜レオン)の唄に三味線太鼓が鳴り響き、江戸市中を浄瑠璃行列が練り歩きました。
銀三匁二分で米一升と交換することを、幕府が約束してくれた……自分たちの願いが天に通じたのだと、蔦重らの浄瑠璃行列に実感したのでしょう。
江戸城中では「武士が町民に屈するのか」など救済措置に反感の声も上がっていましたが、江戸全体を巻き込む打ちこわしに驚愕した幕府は、お救い銀によって何とか難局を乗り切ります。
その宣伝を丸投げもとい一任された蔦重が考えた演出が、今回の浄瑠璃行列でした。歌と踊りと芸術が、人々の怒りを喜びに変えてしまった様子は、まさに「エンタメの功徳」と言えるでしょう。
血なまぐさい斬り合いは野暮なお侍さんに任せて、江戸っ子はどこまでもカラッと行こう。世を混乱に陥れようとする策謀に負けず、蔦重もまた難局を切り抜けたのでした。
丈右衛門だった男は長谷川平蔵(中村隼人)が射止め、江戸市中の混乱は収束していきます。
黒箱の中身は「死を呼ぶ手袋」
一方、大奥では大崎が高岳を訪ね、先週の黒箱から「死を呼ぶ手袋」こと亡き徳川家基(奥智哉)の籠手を取り出しました。
わざとらしく毒をほのめかし、調べさせる(高岳に疑惑が向けられる)と脅して松平定信の老中就任に同意させます。
とっくに処分したかと思っていたら、まだ持っていたんですね。
かくして定信が老中になるかと思いきや、言うに事欠いて「首座でなくては嫌だ(意訳)」などとのたまいました。田沼に米を送らなかった芝居と言い、なかなか老獪になってきましたね。
今は反田沼で結束?しているけれど、定信の台頭は危惧している一橋治済(生田斗真)は「田安家十万石を献上するならば考えなくもない(意訳)」と牽制。こちらも相変わらず一筋縄ではいきません。
曲者に成長してきた定信の存在が、今後お城の魔物たちとどんな化学変化を起こすかが、今後の見どころとなるでしょう。
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