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【大河べらぼう】で劇団・蔦重(?)が劇中劇で演じた『江戸生艶気樺焼』の実際の内容を全ページ紹介

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江戸生艶気樺焼』全ページの紹介

色男になりたい!若旦那・仇気屋艶二郎は「浮名を流したい」と妄想。「べらぼう」で古川雄大が演じる政演が、劇中劇で付けっ鼻をしていたように、鼻が特徴的に描かれています。これは”京伝鼻”と呼ばれています。

知り合いの北里喜之介や志庵医者に相談し、モテるためのさまざまなアイデアを出していきます。

恋人の名前を刺青にするのが“色男の証”。両腕から指の股まで複数の恋人の名(架空)を彫り込んでいきます。


人気芸者を五十両で雇い、自宅に駆け込ませて「芸者に惚れられた…」という演出を仕込みます。

前述の作戦は噂になると期待したましたが広まらずに失敗。自ら瓦版を出して江戸中に散布して広報活動。

吉原で人気の遊女「浮名」を狙うも、やることなすこと全てが上手くいかず…。

ありとあらゆる岡場所で女郎を買ったけれど、浮名屋の浮名ほどの女郎は存在せず。並の遊びでは面白くないと考え、”新造買い”を思いつく。艶二郎は新造を買い、さらに浮名とも会うことで、余計な金を払いさらに不自由さが味わえることに喜びを得る。

役者や女郎が名入りの提灯や手拭などを寺社に奉納するのと同じように、両国回向院の開帳に提灯を奉納しようと考える。北里喜之介を使いにして提灯屋に、浮名と自分の紋を重ねた比翼紋の提灯を注文した。また同じ比翼紋の手拭を呉服屋に注文し、それを人の多く集まるあちこちの神社に奉納。大変な出費の上に何かの願掛けでもないので、これは無意味で実に浮気なものである。

艶二郎は芝居をみているうちに、色男というものは人からぶたれるものだと思い込む。地廻りの男たちを雇い、吉原の人目の多いところで殴るように手配をする。が、殴られたことで具合を悪くし騒動となる。まわりからは「艶二郎はバカものだ」とちらほら噂が立ち始める。

艶二郎は、金持ちだから皆が欲得づくでその頼みをきくのだという世間の噂を聞き、親から勘当されたいと願う。そして期限付きの勘当が許された。

薬研堀の有名な芸者たちが艶二郎に雇われ、勘当が解かれるようにと浅草観音に裸足参り(百度参り)をする。艶二郎は望み通りに勘当となったが、しかし母親が金を必要なだけ送ってくるので一向に困らないという状況。

艶二郎がいよいよ図に乗ってあれこれするうちに、七十五日という勘当の期限が切れた。家からは毎日勘当を解くという知らせがきたが、艶二郎はまだ浮気なことがしたりない。

そして心中ほど浮気なものはない、女と心中しようと思い立ったが、相手の浮名が承知しないだろうから狂言で心中しようと考えた。

浮名は、嘘でも心中とは嫌だと断るが、艶二郎は、うまくいったら好きな男と添わせてやろうと浮名を納得させた。普通の身請けでは色男らしくないと、駆落ちのつもりで女郎屋の二階の窓を壊し、そこから梯子をかけて二人は降りる。

心中の場所も粋で派手な場所がいいと、向島の三囲稲荷前の土手に決める。夜が更けてからでは気味が悪いので宵の内にやることに。艶二郎が贔屓にした茶屋、舟宿の者、幇間、芸者などが集まり、2人を見送る。

艶二郎は日頃の願いが叶ったと喜び勇んで浮名と道行、ここが最期と脇差を抜き、南無阿弥陀仏と唱えた。するとそれを合図にして稲むらの陰よりあらわれたのは…黒装束の泥棒二人。

艶二郎と浮名は泥棒に身ぐるみ剥がれ、真っ裸にされてしまった。艶二郎はふんどし一丁、浮名は腰巻一枚という姿で道行。艶二郎のくだらぬ心中事件の噂はこのとき世間へ広まることに。

心中に懲りた裸の艶二郎は浮名を連れてそのまま家に帰ると、そこには、最前泥棒に剥ぎ取られた着物が衣桁に掛かっている。奥から父親と番頭が出てきて、艶二郎たちを襲った泥棒とは、実は父親と番頭だったことが明かされる。

艶二郎は初めて世の中というものがわかり真人間に。浮名も艶二郎が醜男なのを我慢し夫婦となった。艶二郎は一連の事を山東京伝に頼んで草双紙にしてもらい、これを世に広め、浮気な人への教訓にしたのでした。

江戸生艶気樺焼』の実際のデータは 国立国会図書館サーチで公開されています。

  • 画像出典:京傳 作 ほか『江戸生艶気樺焼 : 3巻』,[蔦屋重三郎],[天明5(1785)]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/9892607 (参照 2025-08-04)
  • 解説文の参考:Wikipedia
 

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