京都の花街、知られざる“お茶屋遊び”の世界――舞妓・芸妓と現存する五つの花街【後編】:3ページ目
「祇園東」は、東大路通と花見小路の間、四条通北側にまたがる京都を代表する繁華街「祇園」に位置する花街だ。明治になり祇園町が2つに分かれ、祇園東新地を経て「祇園東」となった。
近代的なビルが同居する同花街では、伝統的な佇まいのお茶屋が「祇園東」の氏神・観亀神社と並んで建つしっとりした風情が印象的である。舞踊は藤間流。「祇園をどり」は京都の花街で唯一秋に行われる舞台公演だ。紋章は八個のつなぎ団子だ。
京都に現存する五花街は、それぞれに独特の異なった情緒がある。お茶屋建築も見応えがあるので昼間の散策も良いが、日が暮れた後、お茶屋や置屋の軒先の提灯に灯が点る頃の風情は格別だ。
ただし、芸妓や舞妓の写真を撮ったり、彼女らを追いかけたり、私有地に立ち入るなどの迷惑行為は絶対に厳禁。マナーを守って五花街の情景を楽しみたい。

