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囚人同士が人を“間引く”──江戸時代の牢獄に潜む恐怖のルールを史料から読み解く

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貢がねば囚人によって殺された

牢屋内の人数が飽和してくると、内部の囚人によって人数の調整が行われました。恐ろしい話ですが、暮らしやすい程度に牢内の人間を殺し、人数を間引いていたのです。

始末の対象としては、牢内の規律を乱す者や、外部からの差し入れが少ない者、はてまたはいびきがうるさいなど、ささいでも共同生活に不都合な事をもたらす者から始末されました。

時の鐘は死刑執行の合図

この伝馬町牢屋敷の西大獄内の詳細な描写がある歌舞伎の演目「四千両小判梅葉(しせんりょうこばんのうめのは)」では、ゴーンゴーンという鐘の音を合図に死刑囚の刑が執行され、幕切れとなります。

これは事実に基づいた描写であり、実際に処刑日には日本橋本石町の時の鐘が鳴り終わると、死刑が執行されました。

その日には、本石町の鐘の当番は鐘を鳴らす時間を少しでも引き延ばし、僅かな情をかけてやったと言います。

 

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