明治の百円紙幣に描かれた藤原鎌足の肖像画、モデルはまさかのあの首相だった!:2ページ目
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モデルになったのは…?
さてしかし、先述の百円紙幣を作るにあたり、ひとつ困ったことがありました。藤原鎌足の肖像画は存在せず、どんな顔で描けばいいか分からなかったのです。
となると、実在する誰かほかの人物をモデルにするしかありません。そこで白羽の矢が立ったのが松方正義で、彼をモデルにして藤原鎌足像が描かれたのでした。
これが松方の発案かどうかは不明ですが、悪い気分ではなかったでしょう。
ちなみに、貨幣法によって1900(明治33)年に発行された百円兌換紙幣にも同様の肖像が描かれています。このときの首相は山県有朋でしたが、大蔵大臣は松方正義でした。
後に内閣総理大臣にまでのし上がった松方正義ですが、総理大臣としての後世の評価は芳しくありません。しかし、彼なくして明治時代の貨幣制度を語ることはできないほどの重要人物なのは間違いありません。
参考資料:執筆・監修阿部泉『明日話したくなるお金の歴史』清水書院、2020年
日本記録認定協会
キョッソーネ巡回展
画像:Wikipedia
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