【元ネタ】『べらぼう』りつ(安達祐実)の夫か!?吉原遊郭の芸者を取り仕切った男・大黒屋庄六とは何者?:2ページ目
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通人・俳人・狂歌師として
大黒屋庄六は儲けた金を気前よくばらまいたことから、やがて十八代通(じゅうはちだいつう。江戸を代表する遊び人トップ18)の一人に数えられました。
安永9年(1780年)に初演された浄瑠璃『碁太平記白石噺(ごたいへいきしろいしばなし)』に登場する大福屋惣六(だいふくや そうろく。ヒロイン姉妹を助ける遊女屋)はこの大黒屋庄六がモデルとなっています。
また大黒屋庄六は俳句や狂歌にも嗜みがあり、俳号を秀民(しゅうみん)、狂号を俵小槌(たわらの こづち)としました。
大黒だから「俵」の上に乗って「小槌」を持っているという洒落ですね。大黒屋庄六に妻(りつのモデル?)がいるかは分かりませんが、もしいたら、どんな狂号をつけたのでしょうか。
そして寛政2年(1790年)7月4日に世を去ります。享年64歳、法号は本空桂翁庵主(ほんくうけいおうあんしゅ)、浅草•広徳寺に葬られたのでした。
大黒屋庄六・基本データ
- 本名:片岡庄六
- 生没:享保12年(1727年)生~寛政2年(1790年)7月4日没
- 出身:尾張国知多郡坂井村(愛知県常滑市)
- 別名:秀民 (俳号)、俵小槌(狂号)
- 職業:商人、遊女屋、見番
- 活動:通人、俳人、狂歌師
- 家族:不明(妻りつ?)
- 墓所:浅草•広徳寺
- 法号:本空桂翁庵主
- 備考:浄瑠璃『碁太平記白石噺』大福屋惣六のモデル
終わりに
◆りつ/安達祐実
りつ/あだち・ゆみ
吉原の女郎屋「大黒屋」の女将(おかみ)吉原の女郎屋・大黒屋の女将として、駿河屋(高橋克実)、松葉屋(正名僕蔵)、大文字屋(伊藤淳史)、扇屋(山路和弘)らと共に吉原を取りまとめ、蔦重(横浜流星)の後見となる。のちに女郎屋を廃業し、芸奴の見番となったあとは、蔦重が手がけた『富本本』や『浄瑠璃本』の出版に大きな影響を与えることになる。
※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
今回は大黒屋りつの夫?大黒屋庄六について、その生涯をたどってきました。
恐らく庄六が登場することはなさそうですが、代わりにりつが活躍してくれることでしょう。
他にも忘八らの活躍を紹介していきたいと思います。
※参考文献:
- 朝日新聞社 編『朝日日本歴史人物事典』朝日新聞出版、1994年10月
- 上田正昭ら編『日本人名大辞典』講談社、2001年12月
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