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【大河べらぼう】新章突入!平賀源内が去った後、史実を基に次なる局面を考察〜田沼意次 全盛と蔦重の成長〜[前編]

【大河べらぼう】新章突入!平賀源内が去った後、史実を基に次なる局面を考察〜田沼意次 全盛と蔦重の成長〜[前編]:3ページ目

松平定信にとって悪の根源は、田沼意次その人

では、なぜ定信が寛政の改革のように柔軟性を欠き、厳しい政策ばかりを打ち出すに至ったのでしょうか。

その理由として考えられるのは、名門出身ゆえに、支配層である武家階級の堕落を許容できなかったことに尽きるでしょう。

そして、定信にとってその悪の根源は、田沼意次その人であったのです。

商業を重んじた意次の政治は、武士と町人との交流を活発化しました。『べらぼう』では、朋誠堂喜三二こと平沢常富(尾美としのり)、恋川春町こと倉橋格(岡山天音)、大田南畝こと大田直次郎(桐谷健太)といったれっきとした武士たちが、作家として蔦重たちと交流する姿が描かれています。

 

定信から見れば、彼らは「学問と武芸」を軽視する悪しき武士の代表でした。武士が町人とともに、文化サロンを形成すること自体、定信には許しがたいことだったのです。

さらに問題なのは、定信が極端な理想主義者であったことです。彼は自らの理想社会を実現するため、朱子学という儒学の中でも特に厳格な学問を用いて社会の統制を図りました。

このことが、蔦重やその周辺の人々の後半生に、大きな障害として重くのしかかるのです。

【前編】はここまで。【後編】では、松平定信(寺田心)が進めた寛政の改革による出版弾圧に対し、不屈の精神で立ち向かった蔦重についてお話しします。

【後編】の記事はこちら↓

【大河べらぼう】蔦重と松平定信(寺田心)の戦い勃発!?史実を基にストーリーの次なる局面を考察[後編]

瀬川(小芝風花)との別れ、平賀源内(安田顕)の死。主人公・蔦屋重三郎(横浜流星)の前半生の山場ともいえる二大事件を経て、ドラマ『べらぼう』は新章に突入していきます。今回は、『べらぼう』の展開に…
 

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