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大河『べらぼう』煙草の罠、謎だらけの死、あの名セリフ…平賀源内(安田顕)の去りいく背中を惜しみつつ考察【前編】

大河『べらぼう』煙草の罠、謎だらけの死、あの名セリフ…平賀源内(安田顕)の去りいく背中を惜しみつつ考察【前編】:5ページ目

「煙草」の罠で幻聴・幻影の世界に引き摺り込まれた末に…

ある晩、「不吉の家」にて源内に屋敷の図面を依頼した侍・衛門(矢野聖人)と大工の久五郎は、図面が完成した打ち上げで酒宴を開きます。

感謝の言葉を述べながら、なぜか衛門は「エレキテルはニセモノ」など煽るような発言ばかりし、源内は異様なまでに怒り狂います。そして、「キツイな」と言いつつも久五郎に勧められるままに煙草を吸い込むのでした。

とうとう、煙草の影響と怒りで精神錯乱を引き起こし、幻聴・幻覚の狂気の世界に引き摺り込まれてしまう源内。このシーンはまさに「安田顕の一人舞台」。“迫力がある”という言葉では足りない、息をするのを忘れるほど圧巻の名演技でした。

丈右衛門は峰打ちで源内を気絶させ、この策略の仲間であった久五郎を殺害します。

史実でも謎だらけなために諸説あり

史実として伝わっている説には、安永8年の11月20日の夜、源内宅で酒を飲んでいた丈右衛門らは口論になり、源内が抜刀して両者に手傷を負わせ投獄された(諸説あり)……という話が一般的。

けれども、源内は下戸だったこと、お金に困ってとっくの昔に刀は売り払い竹光しか持っていなかったことなど、謎が残ります。この後、丈右衛門は消息不明。源内は寿五郎殺しの罪で伝馬町にある牢屋敷に囚われの身になってしまいます。

そもそも、大工の久五郎とは本当に大工だったのか。丈右衛門が源内に久五郎殺しの罪をなすりつけるのはなぜなのか。

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大河『べらぼう』煙草の罠、謎だらけの死、白湯の意味…平賀源内(安田顕)の去りいく背中を惜しみつつ考察【後編】

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