瀬川(小芝風花)との初恋実らず…失意の蔦屋重三郎(横浜流星)は実際に誰と結婚していた?【大河ドラマべらぼう】:2ページ目
とある女性との会話
また『艶本枕言葉(つやぼん まくらことば)』では、蔦唐丸(蔦屋重三郎の歌号)と女性のやりとりが描かれており、この女性も妻(又は別の遊女)ではないかと考えられています。
二人の枕元には蔦唐丸へ宛てた手紙(から丸様 赤良)があり、差出人は四方赤良(よもの あから)こと大田南畝(おおた なんぽ。蜀山人)。狂歌師らしく、こんな狂歌が添えられていました。
しめて寝る 二人が中の 二重帯
とけてからまる 夜半のむつごと※四方赤良
- しめて:閉めて、湿って
- 中:部屋の中、男女の仲
- からまる:絡まる、唐丸
最後の「むつごと」は睦言(男女の会話)と六ツ刻をかけたかと思いましたがどちらも夜半(よは。真夜中)ではないため、穿ちすぎでしょう。
そんな狂歌と共に、こんなセリフが記されています。
女性「人のいふ事もききもしねへで、そんならどうとも好きにしたがいひ(人の言う事も聞きもしねえで、そんならどうとも好きにしたが良い!)」
唐丸「モウあやまりあやまり。よくふくれるやつの。こふいふ所をうた丸にかかせてへ(もう謝り謝り。よくふくれる奴の。こう言う所を歌麿に書かせてえ)」
女性「これさこれさ、じやうだんじやァねへ。月成さんのとこからなんといって来た。そしてねぼけさんハいつこよふといはしった。(これさ、これさ。冗談じゃあねぇ。月成さんの所から何と言って来た?そして寝惚さんはいつ来ようと言わしった?)」
月成とは朋誠堂喜三二(平沢常富)のこと、寝惚さんとは寝惚先生こと四方赤良を指します。
……これだけだと、妻とも何とも言えませんね。
月成さんと寝惚さんは彼女のお客?とすれば、遊女と考えた方が妥当なのでしょうか。