吉原遊女への折檻はどんなものがあった?足抜の現実…ほか【大河べらぼう】3月2日放送の解説&振り返り:4ページ目
二人で逃げたその先は?足抜の現実
今回は小田新之助(井之脇海)とうつせみ(小野花梨)が足抜(あしぬき、あしぬけ。欠落とも)を敢行するも、お約束通り捕まってしまいます。
吉原遊廓は基本的に大門からしか出入りできず、大門では四郎兵衛会所の番人が警戒していました。
脱出するには高い塀とお歯黒どぶを乗り越えるか、今回のように通行切手を工面したり男装したりで大門を通るしかありません。
遊女が足抜したとなれば、忘八にとって大打撃。彼女の稼ぎ分が損なわれるばかりか、遊女が逃げ出した店として評判もガタ落ちです。
そこで草の根を分けても捜索の手を繰り出したのでした。
まぁ大抵は捕まりますよね。関所は「入り鉄砲に出女」で、女性が他国へ行くことに対して、厳重な制限をかけています。
なお捜索にかかった費用はもちろん遊女の借金に上乗せ。中には年季増し(契約期間を延長)の証文をとられるケースもありました。
仮に逃げおおせたとしても、劇中でいねが言った通り、まともな暮らしはできません。
人別(戸籍)は?食い扶持は?どこでどんな暮らしをするつもりか?
愛し合っても腹は減るし、飢えが続けば愛情なんて吹っ飛ぶのが人間って生き物です。
いね「あんたを養うために、あいつは博打。あいつを養うために、あんたは夜鷹。それが幸せか?えぇ!」
夫はギャンブル、妻は非合法の売春……無計画に飛び出した末路は、大抵そんなもんでした。
逃げるなら逃げるで、逃げた先の生活手段を確保しておかないと、結局幸せになんかなれないものです。
