吉原遊女への折檻はどんなものがあった?足抜の現実…ほか【大河べらぼう】3月2日放送の解説&振り返り:2ページ目
「遅かりし由良之助」
今週のダジャレは鳥山検校による「遅かりし由良之助(ゆらのすけ)」。
これは歌舞伎「仮名手本忠臣蔵(かなでぼん ちゅうしんぐら)」の名ゼリフですね。
浅野内匠頭をモデルにした塩谷判官(えんやのほうがん)が切腹を命じられ、それを阻止するために駆けつけた大星由良之助(おおぼし ゆらのすけ)。こちらはご存じ大石内蔵助がモデルでした。
あと一歩早ければ、塩谷判官は切腹せず助かったのに……そんな手遅れの時に使うセリフです。
手遅れとは鳥山検校が身請けを申し出たことを指すのか、それとも蔦重がてめぇ(自身)の気持ちに気づくのが遅すぎたことでしょうか。
まさに今週は「遅かりし由良之助」でしたね。
バキバキの折檻(せっかん)とは?
いね「バキバキに折檻すれば……」
吉原遊廓と言えば遊女への折檻。筋金入りの吉原ファンとしてみれば「待ってました」なのかも知れません。
これまでの放送では触れられて来なかった折檻とは、どんな時に行われ、どんな責め苦を負わせたのでしょうか。
吉原遊廓における折檻とは、主に以下のケースで行われました。
- 仮病による職務怠慢
- 上客に逃げられた者
- 反抗的な者
- 不正を働いた者
- 稼ぎの悪い者
- 足抜(脱走)に失敗した者
- その他(娯楽、ガス抜き等)
最後の娯楽やガス抜きというのは、何だか不穏ですね。
遊女たちに不満が溜まっているのを感じ取った楼主(忘八)が、その不満を発散させたり脅しで抑えつけたりする目的で行われました。
「あの妓(コ)、前から生意気だと思ってたンだよね。あぁ、いい気味サ」
劇中でも、みんながみんなうつせみに同情していた訳ではなさそうです。この辺は現代も変わりませんね。

