大河『べらぼう』実在した花魁「花の井」が五代目「瀬川」を襲名!美しく男前…その魅力に迫る【前編】:3ページ目
蔦重のため吉原のため大きな賭けに出る花の井
海賊版を作っていたことで逮捕された鱗形屋(片岡愛之助)の代わりに、より売れる吉原のガイドブック「吉原細見」を作って売ると名乗り出た蔦重。
金儲けのことしか頭になく吉原のことなど少しも考えていない西村屋(西村まさ彦)らのやり方を批判し、亡八(吉原の楼閣などの主)らに、「女郎の血と涙がにじんだ金」で細見を作るなら、いい本を作って吉原が大盛況になるようにしようじゃないですかと呼びかけます。
「女の股で飯食ってる腐れ外道の忘八の、たった一つの心意気なんじゃねえですか!」という蔦重の言葉が胸に響いたのでしょう。忘八たちも協力する気になったのです。
そんな蔦重の苦境を話し合う松葉屋の主人・松葉屋半左衛門(正名僕蔵)と女将いね(水野美紀)。二人の会話を立ち聞きした花の井は表情を曇らせます。
けれども松葉屋の主人に、蔦重が新しく作る『吉原細見』が売れるアイデアを「一つ俺達も考えて見るかい?」と声をかけられ「あい」と嬉しそうに返事をするのでした。
蔦重にはいつもクールな笑顔を見せる花の井ですが、ここでは、ぱあっと花が咲くように表情が輝き、少女のように無垢で明るい表情をみせます。胸に秘めた蔦重への想いが溢れ出るようなシーンでした。
そして、主人・女将・花の井は皆で過去の『吉原細見』を調べます。「どれもこれも同じないようだねえ」と言いつつ、突然カッと目を見開いて「見切ったざんす!」という女将のいね。(この「見切ったざんす!」というセリフも「今年の流行語大賞だ」「使ってみたいセリフ!」などとSNSで話題になっていました)
『吉原細見』がバカ売れするのは有名な名跡の襲名が決まった時……ということに気がついたのでした。それを聞いて、なにかを決心する花の井。
