手洗いをしっかりしよう!Japaaan

大河「べらぼう」に登場!蔦屋重三郎が手がけた吉原遊女たちの錦絵『雛形若菜』(画:礒田湖龍斎)を解説【後編】

大河「べらぼう」に登場!蔦屋重三郎が手がけた吉原遊女たちの錦絵『雛形若菜』(画:礒田湖龍斎)を解説【後編】:3ページ目

嵌められ悔し涙を流した蔦重の次の一手は

ドラマでは、蔦重がまんまと嵌められたストーリーとなっています。

企画を立て・資金作りに呉服屋の宴席を盛り上げ・営業をかけ・絵師にお願いし苦労して刷り上げた『雛形若菜』。

お披露目の席で、楼閣主やスポンサーの呉服屋の旦那衆に「これは売れる!」と評価され手応えを感じるも、「お前は版元として売る資格はない」と排除されてしまいます。

すべては、蔦重に嫉妬と警戒心を抱いた老舗の地本問屋・鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)らの罠で、蔦重は利用するだけ利用されてしまったのでした。

憤ったものの妓楼の親父たちから「吉原のため」と言われ、悔し涙を流しながらこのビジネスから外れます。

下請けに仕事を丸投げしてさんざん利用し、お金も払わず成果物は自分のものにする……現代でもよくある話で、蔦重の憤りに共感した人も多かったようです。

けれども、「お江戸のエンタメを作り出した名プロデューサー」蔦谷重三郎がこんな罠に絶望して本作りを諦めてしまうわけありません。

ドラマの中では、「錦絵」出版にあたり、平賀源内(安田顕)に、本屋の堂号(版元としての屋号)を付けてもらうように頼み「耕書堂」の名前をもらいます。

実際は「耕書堂」の由来は定かではないそうですが、源内に「書物を通じて世を耕せ」といわれた蔦重。

今後、どんな才能ある浮世絵師と出会って仕事をしていくのか、どのように既得権益の壁をぶちやぶって活躍していくのが楽しみです。

 

RELATED 関連する記事