無数のタコが敵兵を撃退!なんとタコに命を救われた、大阪・岸和田に伝わる戦国武将・中村一氏の伝説:2ページ目
2ページ目: 1 2
一氏、蛸に救われる
一氏が蛸に救われるのは紀州攻めの前年天正12年(1584)のこと。
この年に起こった小牧・長久手の戦いで秀吉が大坂城を留守にすると、これを待っていたかのように秀吉に敵対していた雑賀衆や根来衆の連合軍3万が岸和田城に侵攻してきました。
一氏は8000人の兵で迎え撃ちますが、多勢に無勢。徐々に劣勢になっていきます。
もはやこれまでかと覚悟を決めたその時、どこからともなく巨大な法師があらわれたかと思うと、手に持った錫杖を武器に敵兵をなぎ倒していきました。
さらには、法師が敵兵に囲まれた際に数え切れないほどの蛸たちを呼び寄せ、墨を吹きかけて敵兵たちを撤退させました。
一氏は法師にお礼を言おうと探しますが、見つからずに夜を迎えます。そして、夢にその法師があらわれ、自身が岸和田の地を守る地蔵であることを告げました。
その後、錫杖を持ったお地蔵さまが城の堀から見つかり、蛸地蔵と名付け丁重に祀りました。
そのお地蔵さまは現在、大阪府岸和田市にある天性寺に安置されています。
また、この戦いは岸和田合戦と呼ばれており、実際の一氏は寡兵でありながらも約800人を討ち取る活躍を見せ、見事に岸和田城を守り抜きました。
ページ: 1 2