藤原道長、エグ過ぎる!三条天皇に譲位を迫る陰湿な嫌がらせの手口がトラウマもの【光る君へ】:2ページ目
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相次ぐ「怪異」に、三条天皇もうんざり
それからというもの、似たような怪異が相次いだといいます。
8月には皇太后・藤原彰子の在所(土御門第)で子供の死体が発見されました。
死体は犬が運んできたもので、腕と足が一本ずつ食いちぎられていたそうです。これにより、三十日の触穢となります。
また9月には同じく彰子の在所に人の足が一本転がっており、こちらは五体不具穢(ごたいふぐえ。完全体による死穢より若干軽い)と判定され、七日の物忌となりました。
とまぁこんな具合に、転がる転がる人の死体やら一部やら。もちろん道長の嫌がらせに違いありません。
(あえて自分の身近に転がすのは、アリバイのためでしょうか)
やがて年が明けて長和5年(1016年)1月29日、ついに三条天皇は敦成親王に譲位したのでした。
となるや否や、それが天意とばかりに怪異はピタッと止んだそうです。
まぁ、道長に本気で嫌がらせをするような生命知らず、あるいはなりふり構わぬ恥知らずはいなかったのでしょう。
かくして道長は天皇陛下の外戚として、権力の座を不動のものとするのでした。
終わりに
今回は三条天皇に譲位を迫り続けた道長の嫌がらせエピソードを紹介してきました。
果たして大河ドラマ「光る君へ」では、この場面が描かれるのでしょうか。今後も道長の野望に注目です!
※参考文献:
- 倉本一宏『平安京の下級官人』講談社現代新書、2022年1月
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