【光る君へ】藤原道長、許すまじ!夫婦の絆を引き裂かれ絶望の内に世を去った藤原顕光の娘・延子の悲劇:3ページ目
怨霊となって寛子を祟り殺す
しかし悲劇はこれで終わりません。愛娘の死によって気力が潰え果ててしまった顕光も、その後を追うように世を去ります。
道長にしてみれば、邪魔な左大臣がいなくなったと清々したことでしょう。
しかし見ておれ、この怨み断じて晴らさでおくべきか……っ!
顕光と延子は怨霊となって道長の一族に祟りをなし、ついには愛娘の婿を奪い去った寛子を祟り殺します。
どうだ道長、思い知ったか!
人々は顕光の怒りに恐れおののき、口々に悪霊左府(あくりょうさふ。左府は左大臣の意)と呼びました。
道長の野望は果たされたものの、道長もまた愛娘を喪う結果となったのです。
終わりに
今回は道長の野望によって婿を奪われ、失意の内に世を去った藤原延子について紹介してきました。
果たしてNHK大河ドラマ「光る君へ」には登場するのでしょうか。登場するなら誰がキャスティングされるのか、楽しみですね!
※参考文献:
- 土田直鎮『日本の歴史5 王朝の貴族』中公文庫、1983年12月
- 角田文衛『承香殿の女御 復原された源氏物語の世界』中公新書、1963年11月