すべては占いで決める!戦国時代に出陣の日時などを占いで決めていた呪術師「軍配者」とは何者?【後編】:2ページ目
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軍配者の本当の役割
呪術合戦からすれば、島津義久の軍配者・川田義朗が大友宗麟の軍配者・角隈石宗に勝ったことになるでしょう。
もちろん、両者の占いが当たったことを、科学的に証明することはできません。
こうした軍配者が果たした役割で大きいのは、士気を上げることでした。合戦の勝敗は、軍勢の多さよりも、士気の高さに左右されたと考えられています。
よって、軍配者の占いを無視して出陣したことにより、家臣の上気が著しく低下していたことも、耳川の戦いにおける大友氏の敗因として指摘することができるでしょう。
軍配者を召し抱えていたのは、呪術に傾倒した一部の戦国大名に限った話ではありませんでした。それは、合理主義で知られる織田信長ですら、伊東法師という僧侶を軍配者として側に仕えさせていたことからも明らかです。
戦国大名にとって、軍配者は家臣の土気を高め、合戦に勝利するために欠かせない存在だったのです。
参考資料:『歴史人 2022年5月号増刊 図解 戦国家臣団大全』2022年5月号増刊、ABCアーク
画像:photoAC,Wikipedia
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