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総大将は16歳の少年キリシタン。悲しき運命に翻弄された「天草四郎」の実像【前編】

総大将は16歳の少年キリシタン。悲しき運命に翻弄された「天草四郎」の実像【前編】:2ページ目

天草四郎の容姿

天草四郎像

天草四郎を美少年に描いたイラストや書物は少なくありません。しかし、写真などが残っているはずもありません。肖像画も後世にキリシタンの少年使節団などを真似て描かれたものです。口述などでも天草四郎の容姿についての記載はほとんどありません。後世で書かれた小説などの創作物によって、美少年像が形成されていったのです。

天草四郎の容姿についての実際の記録は「頬先に水ぼうそうの跡があった」程度です。天然痘を患った跡があるといった記録もあります。元々美少年であったかは定かではありません。おそらく病気の跡を化粧で隠し、予言の子として周りに作り上げられていったのでしょう。

天草四郎が残した伝説

『島原の乱』で領民側の生存者が、天草四郎について語った話が伝説となって残っています。

  • 盲目の少女に触れただけで目が見えるようになった。
  • スズメが止まっている枝を飛び立たせることなく折ってみせた
  • 海の上を歩いて渡った。
  • 手に止まった小鳥が生んだ卵から聖書がでてきた。

信じがたい話ですが、これはキリストが起こした奇跡とほぼ同じでした。少年を神格化するために作られた逸話とも言われています。伝説は、「予言の子」のエピソードや持って生まれたカリスマ性が下地となり、キリシタンや領民に真実として信じられたのです。

まとめ

前編では、天草四郎の人物像や伝説について紹介しました。人の上に立つ器があり周囲の大人たちによって神格化された16歳の少年は、悲しい運命を辿っていくこととなるのです。

次回の【後編】では天草四郎が総大将になった『島原の乱』や彼にささやかれた噂について解説します。

【後編】の記事はこちら↓

総大将は16歳の少年キリシタン。悲しき運命に翻弄された「天草四郎」の実像【後編】

前編では、天草四郎の人物像や伝説について紹介しました。後編では、天草四郎が歴史の表舞台に現れる『島原の乱』と彼の最期、噂について解説します。前編の記事はこちら[insert_post id=…
 

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