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紫式部と夫・藤原宣孝の間に訪れる悲劇…。悲しみを乗り越えあの世界的古典が生み出される【後編】

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『源氏物語』が生まれる

紫式部の身となって考えてみると、突然夫に死なれてシングルマザーになってしまったのですから、これは大変なことです。

しかし実は、彼女が置かれたこの不幸な境遇が、『源氏物語』を生み出す大きなきっかけになったのです。

 

紫式部は宣孝の死後、将来にまつわる不安を少しでも癒やすために、友人たちと「物語」についての感想を語り合ったり、手紙をやりとりしたりするようになったと記録しています。

ここに出てくる「物語」が何だったのかについては、諸説あって定まっていませんが、多くの学者たちは、これが『源氏物語』 執筆の大きなきっかけになったと考えています。

紫式部にとっては、『源氏物語』を執筆することには、寂しく不安な気持ちを癒す意味があったのかも知れません。

それが世界史上類を見ない古典文学作品として後世に伝わることになるのですから、人生は不思議なものですね。

参考資料:
歴史探求楽会・編『源氏物語と紫式部 ドラマが10倍楽しくなる本』(プレジデント社・2023年)

 

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