なんと「歌」で夫婦ゲンカしていた紫式部と藤原宣孝!勝者はどっち?式部の本名に関する斬新な説も紹介:2ページ目
夫婦ゲンカ勃発!
一方、式部と宣孝は結婚して間もない頃(結婚前という説もあります)、派手な夫婦喧嘩を演じました。
原因ははっきりしていないのですが、式部が、それまでに書き贈っていた手紙を「ぜんぶ集めて返せ」と要求してきたのです。その時のメッセージがこれです。
ありし文ともとり集めておこせずば返り事書かじ
(私が贈った手紙をすべて集めて返さなければ、もう返事は書きません)
理由は、おそらく宣孝が式部からの手紙を他人(妻の一人)に読ませていたことが発覚したからではないか、とされています。
すると宣孝は「皆おこす」(すべて返す)と返事を寄こしましたが、そこには恨み言が添えられていました。そこで式部は、
閉ぢたりし 上の薄氷 解けながら さぼ絶えねとや 山の下水
(暖かくなって、閉ざされていた谷川の薄氷がようやく解けたのに、その流れを絶えてしまえとおっしゃるのですか)
「やっと打ち解けた関係になったばかりなのに、その縁を絶とうというのですね」という意味です。
これを受けた宣孝はどう思ったのでしょうか。彼が次に返事をするまで、少し間が空きます。