藤原道隆の妻・高階貴子が、流罪となった息子・藤原伊周を想い詠んだ歌が切なすぎる…【光る君へ】:2ページ目
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高階貴子といえば、百人一首にも収められているこの歌
高階貴子という名前を知らなかったとしても、多くの方が
「わすれじの 行く末まではかたければ 今日をかぎりの 命ともがな」
という和歌を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
高階貴子が詠んだこの歌は、百人一首(54番)にも収められています。筆者も、中学生のころに百人一首にハマった時期があったのですが、この歌はお気に入りのひとつだったことを覚えています。
この歌の現代語訳としては
「『君のことはいつまでも忘れない』とあなたはおっしゃいましたが、それが将来ずっと続くことは難しいでしょう。だったらいっそ今日を限りに命が尽きてしまえば良いのに」
といったところでしょうか。
この歌は、後に夫となる藤原道隆との馴れ初めのころに詠まれたと言われています。そのため和歌に出てくる「忘れじの」は、藤原道隆が高階貴子に贈った言葉と考えられています。
子どもを想って詠んだ歌も
高階貴子は、
「夜のつる 都のうちに こめられて 子を恋ひつつも なきあかすかな」
という歌も詠んでいます。これは、彼女の子ども・藤原伊周が播磨国の明石に流されたときに、彼を想って詠んだと言われています。現代語訳は
「夜の鶴は籠の中で子を思って鳴いたというけれど、私は都に足止めされ、子を恋い慕いながら泣き明かすのだなあ」
です。
伊周は翌年都に召還されますが、このとき、高階貴子は亡くなっていました。
いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
画像出典:大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより
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