ちょっと短絡すぎるぞ!藤原道長、とある試験結果に逆上し試験監督をまさかの拉致!【光る君へ】:2ページ目
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その後、永資は?
ちなみに、式部省に落第してしまった甘南備永資ですが、その後に右衛門少尉(うゑもんのしょうじょう)となりました。
長徳3年(997年)には某丸(なにがしまる)率いる強盗団を捕縛します。
さらに近江国へ逃れた残党を追捕するため、左衛門志(さゑもんのさかん)である錦為信(にしきの ためのぶ)らと共に派遣されたそうです。
右衛門府の三等官(じょう)と左衛門府の四等官(さかん)。何だか対立しそうな気がしますが、ちゃんと力を合わせられたのか気になりますね。
果たして残党らを一網打尽に出来たかはともかく、永資が式部省よりも荒事方面に向いていたのは間違いなさそうです。
その後、永資がどうなったか明らかではありません(生没年不詳)。
ただし道長の家司(執事)に甘南備保資(やすすけ)という人物が出てくるため、永資もその一族だったと考えられます。
終わりに
以上、試験監督を拉致してしまった道長のエピソードを紹介してきました。
NHK大河ドラマ「光る君へ」では、ヒロイン・まひろ(紫式部)のお相手役なのでこんな事はさせないと思います。
でも、せっかくだから甘南備永資や橘淑信らは登場させてもらえないでしょうか。
これからも、道長たちのエピソードを紹介していきたいと思います!
※参考文献:
- 繁田信一『殴り合う貴族たち 平安朝裏源氏物語』柏書房、2005年9月
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