10年ぶりの再就職!しかし…なぜ紫式部の父・藤原為時は任官に抗議したのか?【光る君へ】:2ページ目
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ゴネ得が通って喜ぶ為時。しかし……
「のぅ叔父上(道長。母・藤原詮子の弟)。ここは一つ、何とかしてやれぬか」
「えぇ~?」
可愛い甥っ子であり、他ならぬ天皇陛下のお願いですから、何とかしない訳にはいきません。
そこで頭を捻った結果、家臣の源国盛(くにもり)が越前守(現代の福井県を治める国司)に決まっていたので、その座を譲らせることにしました。
越前ならば、淡路より豊かですし、文句もないでしょう。かくして為時は、ゴネ得で淡路守から越前守に栄転?となりました。
「えぇ〜っ?そんな理不尽な!」
一方、源国盛はショックのあまり寝込んでしまい、そのまま息絶えてしまったそうです。
あまりの理不尽であると共に、当時の貴族たちにとって、国司の任官はそれだけ死活問題であったことが分かります。
終わりに
以上、藤原為時が越前守になった経緯を紹介してきました。
為時にしてみれば、まさにゴネ得、国盛にしてみれば災難以外の何物でもありませんね。
この強引極まる人事変更の裏には、道長が「(愛人だった?)紫式部の父親だから」と贔屓した説もあると言います。本当でしょうか?
前年に西隣の若狭国(福井県西部)で宋船が漂着し、交易を始める可能性があったため、漢学に秀でた為時を抜擢したとの説もあるそうです。
しかし、それなら最初から為時でよかったのでは……実際のところは分かりません。
果たしてNHK大河ドラマ「光る君へ」では、為時の再任官がどのように描かれるのか、楽しみにしています!
※参考文献:
- 岡本梨奈『面白すぎて誰かに話したくなる紫式部日記』リベラル社、2023年11月
トップ画像 左:大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより
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