親日家が多いと言われる国のひとつであるフィンランドから、強烈な日本愛を感じさせるバンドが密かにデビューしていました。それがアクティブな和風テイストを前面に打ち出したメロディックデスメタルバンドのWHISPEREDです。
すでに2枚のアルバムリリースしており、なんと昨年はフェスティバルでの来日公演も果たしていました。
WHISPEREDのメンバーは全員が幼少時から日本文化に夢中だったとのこと。楽曲にもその「本気度」がハッキリ現れていて、琴などの話楽器も違和感なくメタルサウンドに取り込み、これ見よがしな感じではない自然体の音楽性が彼らの持ち味になっています。すでにデビュー当初から現地でも「歌舞伎メタル」や「侍メタル」などと形容されていて、今後が楽しみなバンドの一つです。
その完成度の高さは曲を聴けばスグにうなずけます。こちらは小泉八雲の怪談短編をテーマにした「JIKININKI(食人鬼)」。
何よりこのPVに日本人が一切関わっていないというのがスゴいです。テーマのチョイスもなかなか渋いところを突いてきます。
そんな彼らは日本のアニメやゲームももちろん大好きだそうで、フィンランドで大人気だったというアニメ「銀牙 流れ星 銀」の主題歌の熱い日本語カバーもやってのけました。「GINGA : NAGAREBOSHI GIN」
そしてこちらも日本を代表するゲーム「ファイナルファンタジーⅦ」のテーマをカバー。イントロからクールなアレンジが光ってます。
「LET THE BATTLES BEGIN!(FFⅦ COVER)」
彼らの人気の高さの要因とされているのが、日本文化に対しての真摯な姿勢です。ここ数年の間にフィンランドでも日本ブームが来ていると言われていますが、日本から入ってくる情報は他国に比べるとわずかだそうです。
そんな状況でも彼らは音作りから徹底して取り組み、常に積極的に日本についての探求を欠かさないのだそうです。それが決してパロディやジョークなどではないことは、楽曲からもしっかり伝わってきます。
今回ご紹介した3曲は全て彼らのセカンドアルバム「SHOGUNATE MACABRE」の日本盤に収録されていて、他にも日本神話や妖怪伝承がテーマの曲もWあり、ダイナミックな世界観を味わえます。今こそチェックです!