あなたも騎士になれる?90年ぶり日本人騎士も誕生、領土を待たない独立国「マルタ騎士団」:3ページ目
日本で初めての騎士は?
日本人として90年ぶり…ということは過去にも騎士がいたということ。
初めて騎士になったとされるのは、東郷平八郎の副官を務めた旧帝国海軍軍人・山本信次郎。「軍服の修道士」といわれ、昭和天皇とローマ法王の会見に尽力した人物です。
フランス語やイタリア語に堪能、イタリア大使館付武官などをつとめ、大正10年の皇太子(のちの昭和天皇)の外遊に随行し、当時のローマ教皇・ベネディクト15世との橋渡しをしました。まだ皇太子が20歳だったときのことです。
若い時から熱心なカトリック教徒であった山本は、その後も青少年教育や社会事業に従事します。いつマルタ騎士団に入団したかは定かではありませんが、武田さんも一人目は山本信次郎さんと言及しています。
自分から地位を求めず献身的な活動を認めらて初めて資格をえる「マルタ騎士団」。今後彼らの活躍に注目してみてはいかがでしょうか。
マルタ騎士団
参考:『マルタ騎士団 知られざる領土なき独立国(武田秀太郎著、中央公論新社)』