初めは恩賞用として作られた!? 日本で初めての全国通貨「天正大判」とは:2ページ目
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彼は経済感覚に優れた政治家でもあり、たとえば、天正時代に近畿地方で飢饉が発生し、経済が停滞すると、鴨川や桂川の堤防の普請を急遽行い、貧民に仕事を提供し、賃金を支払うことで救済しようとしました。公共工事が景気刺激策として機能する仕組みを理解していました。
この天正大判は、秀吉の奢侈好みの象徴ではなく、むしろ貨幣経済への第一歩と見なすべきものです。
秀吉を継いで日本を支配した徳川家康も、秀吉のアプローチを受け継ぎ、すぐに慶長大判や小判といった通貨を発行し、支払い通貨として広く流通させました。
こうして、秀吉の経済政策はその後の日本の通貨制度に影響を与え、経済の発展に影響を与えたのです。
参考
「天正大判」文化遺産オンライン
瀧澤武雄,西脇康 『日本史小百科「貨幣」』1999 東京堂出版
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