光源氏のモデル?その名もまんま源光。華やかな人生から転落の末路をたどる【光る君へ 前史】:2ページ目
2ページ目: 1 2
政治も軍事も最高クラスの権力をつかみとり、もはや何も恐れることのなくなった源光。
しかし延喜13年(913年)3月12日、鷹狩りを楽しんでいた時に泥沼へ転落。そのまま沈んでしまったのでした。どれほど捜索しても遺体は発見できず、人々は道真の祟りに違いないと噂したということです。享年69歳。
終わりに
以上、光源氏のモデルの一人と言われる源光の生涯をたどってきました。『源氏物語』の光源氏と似ている部分もあれば、そうでない部分もありますね。
皇子として生まれながら臣籍降下し、何不自由なく栄華を極めながら、最期は道真の祟りによって非業の死を遂げてしまいました。ちょっと後味が悪いですね。
ちなみに、源光の死後間もない3月18日に、最高位である正一位が追贈されました。死んでからもらってもあまり意味がないかも知れませんが、せめてもの慰めになったでしょうか。
また、後任の右大臣には道真と親しかった藤原忠平が就任したということです。
まひろ(紫式部)とは生きた年代が違うため、NHK大河ドラマ「光る君へ」に登場することはありません。それでも彼女の描いた光源氏に、源光の面影を感じられるかも知れませんね。
※参考文献:
- 武田祐吉ら訳『読み下し 日本三代実録 下巻 清和天皇』戎光祥出版、2009年9月
- 武田祐吉ら訳『読み下し 日本三代実録 下巻 陽成天皇 光孝天皇』戎光祥出版、2009年9月
ページ: 1 2